L-M BRIC News No. 5 日本語版
2002-04-10 ©
米国ニューヨーク州イサカ市ウィンスロッ
ププレイス5番地
ループ操作組紐研究情報センター
創立者・編集者 木下雅子(Masako Kinoshita)
電話・Fax (607) 257-0886: E-mail mkinoshi@twcny.rr.com
L-M BRIC NEWS
注
注1 "Single Course Twining"は縄連組織に相当する構造に対してPeter Collingwood
が、"The Techniques of PLY-SPLIT BRAIDING," Petaluma: Unicorn Books,
1998, で用いている。ここでは逆にその用語をP-S 以外の技法で組成された同一構造のものに対して借用した。
注2 伝統組紐で2条軸1間組、ささなみ組などで知られる組紐である。更に多数のセクションからなるものもある。
注3 Bell, A and Ricard, P., Le Travail de la Laine a Tlemcen, Alger,
1913. Dombrowsky, G., 'Ueber eine besondere Form textiler
Randverzierung in Turkestan', Baesseler Archiv, NF XXXLV, 1976.
その他
注4 N. Speiser, The Manual of Braiding, Basel: 自費出版, 1983;
木下雅子、『日本組紐古技法の研究』、京都:京都書院、1994; Kinoshita, Masako, 'Braids on Early
Japanese Banners,' Sacred and Ceremonial Textiles, Proceedings
of the Fifth Biennial Symposium of the Textile Society of America Inc.,
1997.
木下が古代縄連組紐がループ操作で組成されたものとする案を提出したのは、正倉院組紐中に多数見られる角組紐がループ操作技法で組成されたものであること
が方法論的な考察から確実であることを一つの根拠としている。
木下が、古代縄連組の組成法を指操作法ではなく手操作法としたのは、多数のループを使って組む場合、指操作法では多い場合には10人もの組み手を必要とす
ることに疑問を抱いたために過ぎず、いずれの方法でも組成機構の原理には変わりがない。その後(199年)、複数人員で指操作法を使って組んで見た結果、
それで問題が無いことがわかり、指操作法とする意見に偏っている。これは古代には手操作法が使われていなかったことを意味する。
注5 Speiser, N., Old english Pattern Books for Loop Braiding,
Arboldswil: 自費出版, 2000.
注6
伝統組紐には、高台で組む同名の組紐があるが、その構造は縄連組織ではない。異なる構造の組紐に外観の類似性によって同じ名称がついているのは珍しいこと
ではない。
注7 WOAM (Water Logged Archaeological Material) International Conference
(ICOM-CC) スウェーデン、ストックフォルム、 2001年6月11日ー15日.
注8
土中に埋蔵された有機物質が、当初の姿がわかるような状態で出土するのは、非常に乾燥した地帯、永年凍土地帯、酸性土壌、酸素欠乏状態の水中等の特殊な条
件が満たされるときに限られている。このような特殊条件がないときでも、たまたま鉄、銅などの金属に触れていた有機物質が、土中で金属の銹の進行につれて
侵食されその形骸を残したまま銹と化すことがある。その場合、銹の中に元の有機物質が全く残っていないとしても、残された形骸からもとの姿を知ることがで
きる。
注9 ループ指操作技法には「掌向かい合わせ・外側指で操作」する第1法、「同・内側指で操作」する第2法、「掌下向け・内側指で操作」する第3法がある
ことをニュース第2号で紹介した。
注10 1本の撚り糸又は撚り紐は、P-S 技法ならば、何本撚りであっても撚り糸1本が要素であるが、L-M
技法では1本のループが組成の過程で撚り合わされて双糸に形成されるので、1本の撚り糸は2要素からなる。
注11
正倉院事務所編、『正倉院の組紐』、東京:平凡社、1974.;前出『正倉院裂・名物裂・法隆寺裂・錦・綾・金襴・緞子』;特集「用と美の交差点・組
紐」、『なごみ(和)』、1984、6 月号;「組紐」、『日本の美術』 no. 308、1992.
注12 平安期以来の資料が残る平緒に使われる唐組は多数セクションからなるSCOT組織であるが、その組成技法については、決め手になる様な資料が見い
だされていないので、論議の対象から外す。